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『その背中に手は届くのか3』
少し迷った顔をしてから、栄口は俺に言った。
「聞いたのか?」
「へ?」
「…田島の一世一代の大告白。」
「ええ?!何で知って…。」
何で栄口が?!
栄口は苦笑いした。
「やっぱり。アイツ本気だったんだな。」
「ど、どういうことだよ。」
どう言ったらいいかな、と栄口は呟いた。
「聞いたんだよ、田島から。」
でええ?!
栄口に相談してたのか?!
「聞いたって言うか、引き止めた。」
「はぁ?」
俺の反応にそりゃそうだ的な顔をした栄口は、田島のことを話始めた。
「俺が田島の気持ちを知ったのは一年の終りの頃だ。
変な顔をして花井を見てたから、どうかしたのかって聞いたんだ。
そしたら田島のやつ、花井のことが気になってしょうがねぇんだって言ったんだ。
俺は最初、ライバルとしての話かと思ったよ。
誰が聞いてもそうだろう?
なのに田島は寝ても覚めても花井のことで頭がいっぱいだとか言うから。」
一気に栄口はそこまで話した。
俺は何がなんだか分からなくて、開いた口が塞がらないと言うか…。
「花井、大丈夫?聞いてるか?」
「あ、ああ。ごめん、軽く気を失ってた。」
「まあ、無理もないよな。」
栄口は苦笑いした。
「俺がその時に、
『なんだそれ、まるで花井に惚れてるみたいだな』
って言ったら…もちろん冗談でだぞ!
途端になるほど!って顔して、直ぐ様花井に告白しようとしたんだよ、田島は。」
…頭いてぇ。
どんだけ短絡思考してんだか。
「だから引き止めたんだよ。辞めとけって。」
そりゃそうだ。
もし立場が逆だったら、俺だってそうしていたに違いない。
「せめて、三年の夏が終わるまで待てって言ったんだ。」
「…おい、なんで待てなんだよ。」
「花井キャプテンだしな。余計な気を回させるんじゃないって。」
「そこかよ!」
なんだよ、栄口まで…なんで完全に引き止めてくれなかったんだよ…。
「花井。」
「んあ?」
「顔、がな…」
顔?
「田島の顔が、スゲェ真剣だったんだよ。まるで、バッターボックスに立ってる時みたいな。
『なんで、俺花井好きなのに!』って。」
さっきの田島の顔を思い出す。
真剣そのもの。
冗談なんかじゃないことも、たったニ年半の付き合いだがよく分かっていた。
「だから待てって言ったんだ。三年の夏が終るまで。
花井のキャプテンとしての仕事が終るまで。な?分かるだろ?」
「う…ん。」
栄口のことだ。
その間に自分の気持ちをちゃんと確認しとけ位は田島に言っているだろう。
栄口の言いつけを守り、俺のキャプテンとしての仕事が終るまで待ち、
やっとのことで伝えた想いだったのか…
あの本能の赴くままに行動する田島が、だ。
なんだか急に罪悪感に襲われる。
もう少し、ちゃんと断れば良かった…いや、諭してやれば良かった。
間違いに気付くように。
そう思った途端、さっきのザワザワが蘇ってきた。
今度はさっきよりも強く、明確に。
腹の奥から何か訴えるかのように。
黙っている俺に栄口は言った。
「どう返事するかは花井次第だから。ただ、田島は本気だったって伝えたかったんだ。」
「ああ…分かった。世話掛けたな、栄口。」
そう言うと、栄口はようやく笑顔になった。
ずっと黙っていたんだ。
やっと解放されて、ホッとしたんだろう。
栄口に礼を言って、帰ることにした。
グランドの向こうに見える田島の家。
何となく、そちらに視線を向ける。
「!!」
田島が立っていた。
俺を見ている。
切なくて切なくて、どうしようもない、そんな瞳。
ザワザワが強くなる。
なんだかとても怖い気がした。
だけど身体が全然動かない。
視線も反らせない。
まるで自分の身体ではなくなったかのようだった。
田島の口が動く。
「え?なに?」
もう一度、動く。
ごめん。でも、好きなんだ。
もちろん、声は聞こえない。
でも、そう言っているのは分かった。
ザワザワがどんどん強くなる。
同時にどんどん怖く感じた。
やっと動いた身体は、猛ダッシュでその場から離れていた。
ぐるぐる花井。
あ~ぐるぐるって、いいですよね~~!
すんなり好きっていうのより、悩みに悩んでっていうのがツボですw
花井が好きでたまりません。
今現在花井を描きまくってます。
や、落書きレベルですが。
え?
ゾロはどうしたって??
当然同時進行でゾロ描きまくってますよ!!
二人とも大好き!!
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再びONE PIECEに大ハマリ(泣)
そんなこんなでおお振りにもハマリ・・・(号泣)
ただいまお絵かき猛勉強中。
ゾロスキー、花井スキーであること以外にこだわりはなし。
どんなカップリングでも「このゾロいい!!」
または「この花井いい!!」と思えばOKです。
無節操なことこの上なしw